成形と転写を同時に行うインモールドの技

この会社は、箔やフィルムを用いて製品やパーツ類の表面加工を得意分野にしています。

その多くがホットスタンピングという方法で対象物の表面に箔を貼り付ける作業を受注していますが、インモールドという技術も有しており、この方法では射出成形と同時に表面に熱転写を行う特殊な技法にも対応してます。

具体的な事例では家電製品の正面に樹脂製のカバーを取り付ける商品の場合、金型を作って射出成形の機器で溶かした樹脂材を噴射させます。

その時に発生する熱を利用して、カバーの表面に予めデザインを施したフィルムを貼り合わせる技術になります。

フィルムの色やデザインを自由に指定できる他、ロゴや文字入れも可能としているので、瞬時に完成品を大量に作り出すことに最適な方法です。

射出成形は物作りを行うメーカーの工場で採用されているものなので、決して珍しい機器ではありません。

ところがこの機器を使った段階では、素材は用いる樹脂材の色にしかできず、後から塗装作業や箔押しを行うことが必要とされてしまいます。

この手間を一気に仕上げられる方法がインモールドになるので、結果的に製造時間を大幅にカットできるだけではなくコスト面でも安く仕上げられるメリットが特徴です。

この技法では通常では難しいとされる曲面にも綺麗に施工することができるメリットもあり、事前に箔のデザインさえしっかりと済ませておけば、精密性の高い細かなデザインでも仕上がりは完璧になります。

この会社では作業全般を受注していますが、専用機器や箔の販売も行っているので、導入を検討したいメーカーは相談をしてみる価値は十分にあります。